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「次の医療AI株」はここから生まれる?Mayo Clinicが選んだ日本発15社を投資家目線で読み解く

2026/08/17のTOP画像



株式投資をしていると、「次に大きく成長する業界はどこか」「将来の有望企業を早い段階で見つけられないか」と考えることがあります。

そんな投資家にとって興味深い発表が、2026年8月13日にありました。

日本貿易振興機構(JETRO)とMayo Clinic Platformは、日本発のヘルスケアスタートアップ15社を「J-StarX US Healthcare Breakthroughプログラム」に採択したと発表しました。

このプログラムは、AI、医療機器、デジタルヘルスなどの分野で事業を展開する日本企業に対し、米国市場での事業開発、実証実験、提携先の開拓、商業化を支援するものです。

協力するMayo Clinicは、米国を代表する医療機関の一つです。その関連組織と日本企業が連携することで、単なる研修にとどまらず、実際の医療現場を意識した製品検証や市場参入につながる可能性があります。

JETROの公式発表


採択された15社は何を手がけているのか

今回のプログラムは、米国進出に必要な規制や事業戦略、エビデンス構築を学ぶ「Foundationalコース」の10社と、商業化や顧客獲得を目指す「Business Developmentコース」の5社に分かれています。

Foundationalコースには、医療データ流通を手がけるAIBTRUST、ゲームを使った小児ADHD診断支援機器を開発するAlmaprism、心疾患管理プログラム医療機器を研究するCaTeなどが採択されました。

そのほかにも、重症下肢虚血に対する血管新生療法、心不全患者向けの植込み型治療機器、AIを使った不整脈治療支援、手術データを構造化するAI基盤、脳卒中患者向けの在宅リハビリ機器など、幅広い技術が選ばれています。

中古医療機器を扱う業界にとって特に気になるのが、フィジオロガス・テクノロジーズです。同社は給排水設備を必要としない、小型・軽量の在宅血液透析装置を開発しています。実用化されれば、透析治療を「医療機関で受けるもの」から「自宅でも選択できるもの」へ変える可能性があります。

またRutenは、脳と機械を接続するブレイン・マシン・インターフェースを活用し、重度の嚥下障害に対する治療・支援機器を開発しています。まだ研究開発色の強い分野ですが、ニューロテックは世界的にも成長が期待されるテーマです。


投資家が注目したい5社

より投資に近い段階として注目したいのが、Business Developmentコースの5社です。

カルディオインテリジェンスは、長時間心電図をAIで解析する「SmartRobin」を開発。解析精度は95%とされ、心房細動の早期発見や脳梗塞予防を目指しています。

GramEyeは、感染症診療で行われるグラム染色検査をAIとロボットで自動化します。夜間や休日でも検査を迅速化できれば、医療従事者の負担軽減だけでなく、抗菌薬の適正使用や薬剤耐性菌対策にもつながります。

エムネスは、医療画像プラットフォーム「LOOKREC」を全国1,900超の医療機関に提供しています。すでに利用基盤がある点は、研究段階の企業とは異なる強みです。

SmarTrialは、製薬会社と医療機関の間で行われる治験業務を効率化するAIエージェントを開発。クアドリティクスは、ウェアラブル心電計とAIを組み合わせ、てんかん発作の兆候を検出するシステムを開発しています。

この5社には、FDA対応、保険償還、投資家開拓、米国での初期顧客獲得まで、企業ごとに個別支援が行われます。つまり「技術を作る段階」から、「海外で売れる事業に変える段階」へ進もうとしている企業群と見ることができます。


5社の多くは未上場。それでも投資家が見る価値はある

注意したいのは、今回選ばれた企業の多くが未上場企業であり、現時点では証券市場で直接株式を購入できないことです。また、採択されたからといって、米国での承認取得や事業成功が保証されたわけではありません。

それでも、投資家にとって見る価値は十分にあります。

理由は、今回の15社を調べることで、これから資金が向かう医療テーマを把握できるからです。具体的には、医療AI、プログラム医療機器(SaMD)、遠隔画像診断、在宅医療、ウェアラブル機器、治験DX、医療データ流通、手術支援ロボット、ニューロテックなどです。

上場株を探す場合は、これらの分野を成長事業として掲げる企業の中から、実際の売上高、研究開発費、薬事承認の進捗、医療機関への導入数、海外売上比率を確認するとよいでしょう。

特に重要なのが、医療機器の承認を取得したという発表だけで判断しないことです。「保険適用されたか」「販売パートナーが決まったか」「導入件数が増えているか」「継続的な利用料が発生する事業モデルか」まで確認する必要があります。

医療AIは期待が大きい一方、研究開発費が先行し、黒字化まで時間がかかる企業も少なくありません。増資による株式価値の希薄化や、臨床試験の遅延、規制当局の審査といったリスクにも注意が必要です。



「上場前の変化」を追うことが有望株発見につながる

今回の15社がすぐに投資対象になるわけではありません。しかし、将来のIPO候補として名前を覚えておく価値はあります。

今後は、資金調達、製薬会社や医療機器メーカーとの提携、FDAへの申請、米国での臨床試験、保険償還、海外販売契約といったニュースが重要な判断材料になります。

さらに、採択企業そのものだけでなく、共同開発する上場企業、出資するベンチャーキャピタル、販売を担当する医療機器商社、クラウドや半導体を提供する企業にも注目です。スタートアップの成長が、その周辺企業の売上につながる場合があるからです。

世界の医療市場に挑戦する日本企業が、研究段階から事業化の段階へ進み始めています。

将来の有望株は、現在の株価ランキングだけを見ていても簡単には見つかりません。こうした公的な支援プログラムや臨床開発の動きを継続的に追い、「どの技術が医療現場で本当に使われ始めているのか」を確認することが、次の成長企業を見つける手掛かりになるのではないでしょうか。


※本記事は公開情報を基にした業界動向の紹介であり、特定企業の株式購入を推奨するものではありません。投資判断は、企業の開示資料や財務状況などを確認したうえで、ご自身の責任で行ってください。


採択企業15社・公式サイト

Foundationalコース(10社)


Business Developmentコース(5社)



※KUχAIのみ、JETRO発表に公式サイトの掲載がありません。



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