
「医療業界の会社」と聞くと、どんな企業を思い浮かべるでしょうか。
製薬会社、医療機器メーカー、病院、調剤薬局……。おそらく、このあたりをイメージする人が多いと思います。
ところが最近、医療とは一見関係がなさそうな大手企業が、医療・ヘルスケア領域への取り組みを次々と強化しています。
通信のNTT、半導体・ITのマクニカ、飲料のキリンホールディングス、金融のSMBCグループ、そして広告の電通。
なぜ、これほど異なる業界の大手企業が「医療」に注目しているのでしょうか。
今回は、2024年以降の5社の動きを、医療業界に詳しくない方にもわかりやすく紹介します。
① NTT 通信会社が「医療データ」を扱う時代へ
最初はNTTです。
NTTは2024年7月、グループの医療・ヘルスケア関連の経営資源を集約し、「NTTプレシジョンメディシン」を発足させました。
「プレシジョンメディシン」とは、簡単にいえば、一人ひとりの体質や検査結果などに合わせて、より適した予防や医療を提供しようという考え方です。
新会社では、医療機関のデジタル化支援だけでなく、臨床データや検査データなどの収集・分析・活用、遺伝子等の検査サービスなどを手掛けます。
つまりNTTが持つ通信・データ・AIなどの技術を「医療」に持ち込もうとしているのです。
これまで通信インフラを支えてきた企業が、これからは「医療データのインフラ」にも関わる。医療DXを象徴する動きの一つといえるでしょう。
NTT公式HP:
https://group.ntt/jp/
NTTプレシジョンメディシン:
https://www.ntt-precisionmedicine.co.jp/
② マクニカ 半導体・ITの技術商社が医療機器販売へ
次に注目したいのがマクニカです。
マクニカは半導体やサイバーセキュリティなどを得意とする技術商社ですが、2024年に高度管理医療機器等販売・貸与業の許可取得を公表し、医療領域への参入を打ち出しました。
その一環として、ココロミルと資本業務提携し、ウェアラブル心電計と解析サービスの販売を開始しています。
ウェアラブル心電計とは、体に装着して日常生活中の心電図を記録できる小型機器です。
ここで興味深いのは、単純に「医療機器を売る」という発想ではないことです。
医療機器にデジタル技術やデータ解析を組み合わせてサービスとして提供する。半導体やITに強いマクニカだからこそできる医療参入といえます。
マクニカ公式HP:
https://www.macnica.co.jp/
③ キリン ビールや飲料の会社が「薬局DX」
続いてキリンホールディングスです。
「キリンと医療?」と意外に感じるかもしれません。
キリンが展開している新規事業の一つが、調剤薬局向けAI置き薬サービス「premedi(プリメディ)」です。
薬局では、患者さんに必要な薬が在庫にないと、取り寄せなどが必要になります。一方、あらゆる薬を大量に在庫しておけば、使用期限切れや在庫コストが問題になります。
そこでpremediでは、AIを使って薬局ごとに必要となりそうな医薬品を予測し、小ロットで配置できる仕組みを提供します。
2023年から高田製薬と販売支援のトライアルを実施し、2024年10月から全国展開を開始しました。
キリンというと「ビール・飲料」の印象が圧倒的に強い企業ですが、近年はヘルスサイエンスを重要な事業領域としており、その取り組みが薬局という実際の医療現場にも広がっている点が注目されます。
キリンホールディングス公式HP:
https://www.kirinholdings.com/
④ SMBCグループ 銀行が「医療データ基盤」をつくる
さらに驚かされるのがSMBCグループです。
2026年5月、SMBCグループ、富士通、ソフトバンクの3社は、健康・医療分野で業務提携することを発表しました。
目指しているのは、医療機関が持つ医療データと、個人の健康データなどを本人の同意に基づいて連携させ、安全に活用する「国産ヘルスケア基盤」です。
さらにAIを活用し、日々の健康管理から受診、治療、その後のフォローまでを支援する構想を描いています。
3社は、この基盤を6,000万人規模へ広げ、4,000の医療機関への導入を目指すとしています。
「銀行がなぜ医療を?」と思いますが、SMBCには巨大な顧客基盤があります。そこに富士通の医療IT、ソフトバンクの通信・AI・サービス基盤を組み合わせるわけです。
金融と医療という、これまで離れて見えた産業の境界線も変わり始めています。
SMBCグループ公式HP:
https://www.smfg.co.jp/
⑤ 電通 「広告」からヘルスケア事業を生み出す側へ
最後は電通です。
2025年9月、電通、電通東日本、電通総研と京都大学は、ヘルスケア領域の産学連携プロジェクト「evidact(エビダクト)」を始動しました。
特徴は「科学的エビデンス」を重視していることです。
健康に良さそうな商品を感覚的に売るのではなく、大学などが持つ予防・健康増進に関する科学的根拠と企業の商品開発力、さらに電通グループのマーケティングやITなどの知見を組み合わせ、新しいヘルスケア商品・サービスの創出や普及につなげようとしています。
電通自身が薬や医療機器を製造するという話ではありません。
むしろ、さまざまな企業がヘルスケア市場に参入するための「橋渡し役」になろうとしている点が興味深いところです。
電通公式HP:
https://www.dentsu.co.jp/
なぜ大手企業は医療・ヘルスケアを目指すのか?
5社を並べてみると、共通点が見えてきます。
NTTは「通信・データ」、マクニカは「半導体・IT」、キリンは「生活者・ヘルスサイエンス」、SMBCは「金融・顧客基盤」、電通は「マーケティング・事業開発」。
つまり、異業種企業は医療会社になろうとしているのではなく、自分たちが得意とする技術や顧客基盤を医療・ヘルスケアに持ち込もうとしているのです。
背景には、日本の高齢化、医療費の増加、人手不足、医療DX、AIの急速な発達などがあります。
医療は今や、医師や製薬会社、医療機器メーカーだけで完結する産業ではありません。通信、IT、金融、食品、広告など、さまざまな業界との境界線が急速に薄くなっています。
そして今後さらに注目したいのが、「医療業界のどの領域に異業種大手が入ってくるのか」という点です。新品の医療機器、医療AI、健康データ、予防医療などには巨大企業が続々と参入しています。
その一方で、医療機器の中古流通や買取、病院・クリニックの閉院に伴う機器撤去など、大手企業の本格参入がまだ目立たない領域もあります。
医療業界への異業種参入が加速するなか、こうした「まだ大手が入りにくい市場」にこそ、次のビジネスチャンスが隠されているのかもしれません。
’X’はじめました‼
アローズヘルスケアのXが始まりました。コラムとあわせて買取情報も随時発信していきます。
気になる方は下記リンクから フォローお願いします。
https://x.com/arrowscolumn?s=11&t=JyJ52ID2lV2aqbNe3Tts1g
医療機器を売りたい、処分したいと思ったらアローズヘルスケアへ!
中古医療機器を売りたい・処分したいと思ったら、法律を遵守し必要な資格を全て有するアローズヘルスケアにお任せください。
業界経験豊富なメンバーがはじめての方でも安心してご利用頂けるように対応致します。 不安なこと、わからないことがあればご納得いただけるまでご説明致します。 なにかございましたら、お気軽にお問合せください!
中古医療機器の販売・買取|アローズヘルスケア|開業・医療設備の導入支援 (arrows-healthcare.com)
| Author - 著者 |
株式会社アローズヘルスケア 〒130-0004 東京都墨田区本所1-11-8
TEL 03-6658-4170 FAX 03-6658-4171 高度管理医療機器等販売業 2墨福衛生薬第14号
医療機器修理業許可証 13BS201448
動物用管理医療機器販売・貸与業届出
古物商 307732004767 産業廃棄物収集運搬業許可 第13-00-243899号 |
| あなたの「売りたい」に答えます |