国立大病院285億円赤字

今回のコラムは42国立大学病院のうち29病院で経常損益はマイナスに、法人化後最大の赤字という衝撃ニュースが入って来ましたので紹介します。
国立大学病院長会議は7月9日、2024年度決算の概要を発表し、経常損益は285億円の赤字で2023年度の60億円よりも大幅に赤字が拡大した。会長の大鳥精司氏は「いかんともしがたい状況だ。困っているのは新たな医療機器を買えないことや施設整備が止まっていることだ。一番いいのは補正予算等をつけていただくこと、2026年度診療報酬改定で対応していただくことだ」と窮状を訴えた。
2024年度決算概要では収益は1兆6203億円(2023年度1兆5657億円)に対し、費用が1兆6489億円(同1兆5716億円)で増収減益の傾向が続き、2004年度の国立大学法人化後で最大の赤字幅。諸物価高騰が続く中、2025年度は診療報酬改定もないため、「赤字幅はさらに増加すると予測している」という。大学別では29病院が赤字で、現金収支を出した段階では赤字を回避していたものの、経常損益では赤字となった大学もある。
2018年度と2024年度の比較では、医薬品費が2803億円から4065億円に、診療材料費等が1744億円から2239億円にそれぞれ大幅増加。人件費も5049億円から5846億円に増加した。大学病院本院では医薬品費の総額に占める高額医薬品(10万円以上)の割合が高く、2022年度で大学病院本院は28.5%、それ以外のDPC対象病院では15.2%。2018年度はそれぞれ17.7%と13.4%だったため、両者の差が拡大している。

2025年7月9日国立大学病院長会議記者会見資料
限界利益(病院収益-医療費)は2022年度までは固定費を上回っていたが、2023年度に逆転して2024年度はその差が拡大、大鳥氏は「限界利益で固定費を賄ってきたが、逆転して人件費すら払えない状態だ」と指摘。東京科学大学病院病院長の藤井靖久氏は施設整備が進まない状況について、「配管が壊れてしばしば漏水が起こっている。耐用年数が過ぎているものは、画像診断の機器であれば患者に危害が及ぶことはないものの、いつ壊れていてもおかしくない」と述べた。
長崎大学病院病院長の尾﨑誠氏は、大学病院の経営危機について「いち医療機関の収支や設備の問題ではなく、地域医療の地盤沈下を招く。私は地域医療の問題と認識している」との見方を示した。経営母体は大学であるため、附属病院の赤字は大学本体の経営を圧迫し、大学全体の教育にも影響を及ぼすため、「研究や教育力の低下に直結する。医育機関としての使命である医師を育てる機能が劣化しつつある」と述べた。熊本大学病院病院長の平井俊範氏は「(当院では)耐用年数を超えて使用している医療機器が2820個、購入費ベースでは181億円分だ。看護師の宿舎も58年が経過して老朽化しているが、修繕等ができない」、山梨大学医学部附属病院病院長の木内博之氏は「シングルユースの材料をマルチユースに変える」、山口大学医学部附属病院病院長の松永和人氏は「農学部の農場で野菜を市価より安く買う」などの節約の努力を紹介した。
「このままの状況が続くとどうなるのか」との質問に対しては、大鳥氏は「もしこのまま支援がなければ間違いなく潰れる。どこかに千葉大学を買ってもらうなどの話になり、附属病院だけの問題ではなく、大学法人全体の問題。文学部や理学部や工学部の給与を払えなくなり、文科系の学部を廃止することにもなり得る」、旭川医科大学病院病院長の東信良氏は「地方にとっては大学病院は非常に重要で、医師派遣を行っている。医療者を育成している。その機能は大学にしかない。人材育成の機能が落ちてくると、地方は医療や学校がなくなると崩壊する。(政府の掲げる)地方創生と逆の現象が起こる」と指摘した。
参考記事
日経メディカルNEWS◎国立大学病院長会議が2024年度決算の速報値を公表
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202507/589521.html
m3.com レポート 2025年7月10日 (木)
https://www.m3.com/news/open/iryoishin/1283774
まとめ
現状では新たな医療機器が買えなく負のスパイラルになっており根本的な改善が求めれています。
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