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2025年10月 医療業界ニュースまとめ

2025/10/20のTOP画像

今回のコラムは2025年10月の気になる医療業界のニュースをピックアップしてみました。


1-9月「病院・クリニック」倒産 20年間で2番目の27件 中堅の病院が1.5倍増、深刻な投資負担とコストアップ

東京商工リサーチ 2025/10/17 より引用

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201913_1527.html


2025年1-9月「病院・クリニック」の倒産状況
2025年1-9月の病院・クリニックの倒産は27件に達し、2006年以降の20年間で2007年・2024年同期に並ぶ2番目の高水準だった。病院やクリニックの倒産は、患者から受診機会を奪い、医療の空白地帯を生みかねない。このペースで推移すると、2009年の42件以来、16年ぶりに年間40件を超える可能性も出てきた。

2006年以降の1-9月の医療機関(病院・クリニック)の倒産は、リーマン・ショック後の2009年に36件(前年同期比100.0%増)と最多を記録した。コロナ禍の2020年は資金繰り支援に支えられ、11件(同56.0%減)と大幅に減少、その後も10件台で推移した。だが、2024年は27件(同68.7%増)と前年同期の約1.7倍に急増し、2025年も前年同期と同じ27件と高水準で推移している。
 

2025年1-9月の医療機関の倒産は、地域医療を担う中堅規模で倒産が目立つ。クリニックは18件(同14.2%減)と前年同期を下回ったが、ベッド数20床以上の病院は9件(同50.0%増)と前年同期の1.5倍に増加し、過去20年間では2010年の11件に次ぐ4番目の多さだ。
負債額別では、(医)福慈会(負債66億円)を含む10億円以上が5件(前年同期2件)、5億円以上10億円未満が3件(同2件)だった。従業員数別では、従業員300人以上が2件(同ゼロ)、同50人以上300人未満が8件(同4件)と、それぞれ中堅規模で増加し、地域の核となる施設や陣容が必要な病院の苦境が鮮明となった。
 

医療機関は、理事長・院長の高齢化、医師や看護師の不足、医療設備の老朽化など、課題が山積するが、さらに、人件費に加え、電気代、備品・消耗品などの物価上昇も経営を圧迫している。
総務省が9月30日に発表した令和6年度地方公営企業等決算によると、自治体が運営する公立病院の約8割が赤字だった。
医療業務のコストと診療報酬のバランスが崩れ、採算が悪化する状況に追い込まれている医療機関は少なくない。医療の空白エリアが増えることも現実味を帯びており、診療報酬の見直しやM&Aなど、医療機関の存続に向けた取り組みが急がれる。


※本調査は、日本標準産業分類の「病院」「一般診療所」から負債1,000万円以上の倒産を集計、分析した(歯科医院を除く)。


原因別:「販売不振」が16件(前年同期比23.0%増、構成比59.2%)で最多。次いで、「既往のシワ寄せ」が5件(前年同期比37.5%減)、「他社倒産の余波」3件(同25.0%減)と続く。
形態別:「破産」が26件と9割超(前年同期比8.3%増、構成比96.2%)を占め、再建型の「民事再生法」は1件(前年同期2件)にとどまった。
負債額別:「1億円以上5億円未満」が12件(前年同期比7.6%減、構成比44.4%)で最多。このほか、「10億円以上」が5件(前年同期比150.0%増)。
従業員数別:最多が「5人未満」の10件(前年同期比16.6%減)。ただ、前年同期は発生がなかった「300人以上」が2件、「50人以上300人未満」が8件(同100.0%増)と2倍に増加した。


【2025年ノーベル生理学・医学賞は、日本人研究者の坂口志文氏が受賞】「制御性T細胞」の発見は“何が凄いのか”をわかりやすく解説

DIAMOND ONLINE 更科功 教養『種の起源』を読んだふりができる本 2025年10月18日 6:20 より引用

https://diamond.jp/articles/-/375063


ダーウィンの『種の起源』は「地動説」と並び人類に知的革命を起こした名著である。しかし、かなり読みにくいため、読み通せる人は数少ない。短時間で読めて、現在からみて正しい・正しくないがわかり、最新の進化学の知見も楽しく解説しながら、『種の起源』が理解できるようになる画期的な本『『種の起源』を読んだふりができる本』が発刊された。
長谷川眞理子氏(人類学者)「ダーウィンの慧眼も限界もよくわかる、出色の『種の起源』解説本。これさえ読めば、100年以上も前の古典自体を読む必要はないかも」、吉川浩満氏(『理不尽な進化』著者)「読んだふりができるだけではありません。実物に挑戦しないではいられなくなります。真面目な読者も必読の驚異の一冊」、中江有里氏(俳優)「不真面目なタイトルに油断してはいけません。『種の起源』をかみ砕いてくれる、めちゃ優秀な家庭教師みたいな本です」と各氏から絶賛されている。2025年のノーベル生理学・医学賞は、「制御性T細胞による免疫の過剰な働きを抑える仕組みの発見」に対して、大阪大学の坂口志文博士らに贈られた。この研究成果はどこが優れているのか、著者が緊急寄稿した。


制御性T細胞の発見
2025年のノーベル生理学・医学賞は、「制御性T細胞による免疫の過剰な働きを抑える仕組みの発見」に対して、大阪大学の坂口志文博士、米国のバイオ企業ソノマ・バイオセラピューティクス社のフレッド・ラムズデル博士、米国システム生物学研究所のメアリー・E・ブランコウ博士の3人に贈られた。


免疫は、病原体などから私たちの体を守る大切な仕組みである。そのため、免疫の作用を強めることが医学の重要な課題とされてきた。ワクチンの開発は、その素晴らしい成果の一つといえる。
しかし、その一方で、免疫の作用は強ければ強いほどよい、というものではないこともわかってきた。免疫力の不足ではなく、免疫が過剰に反応することによって起きる病気も、かなりあるのだ。関節リウマチや一部の糖尿病などはその例で、免疫システムが私たち自身の細胞や組織を攻撃することによって発症するのである。


免疫とはどのような仕組みなのか?
そのため、私たちの体には、免疫の働きを抑える仕組みも存在する。たとえば、免疫システムにおいて重要なT細胞は、心臓の上にある胸腺で、私たち自身の細胞や組織と反応するものが除かれる。そして、私たち自身を攻撃しないものだけが、全身に送り出されていくのである。
しかし、私たち自身の細胞や組織のすべての情報が、胸腺に存在するわけではない。そのため、一部のT細胞は私たち自身を攻撃する可能性を秘めながら、全身へと送り出されてしまう。そこで、体のさまざまな部分でも、私たち自身を攻撃するT細胞を抑える仕組みが必要になる。それが、坂口博士が発見した制御性T細胞である。


あきらめず、根気よく続ける
坂口博士の素晴らしいところは、その業績の重要性もさることながら、免疫の働きを抑える仕組みの研究を途中で辞めずに、根気よく続けてきたことだろう。なぜなら多くの研究者が、この分野の研究には未来がないと見限って、やめていったからだ。
じつは20世紀の後半には、免疫の働きを抑える仕組みについて、活発に研究が行われていた。サプレッサーT細胞という細胞が存在すると仮定され、そのサプレッサーT細胞が免疫反応を適切なときに終了させると予想されていたのである。ところが、その細胞がなかなか見つからないうえに、サプレッサーT細胞についての矛盾点も指摘され、この分野の研究は下火になってしまった。
しかし、サプレッサーT細胞は存在しないとしても、ブレーキとして働く何らかのT細胞(これが後に制御性T細胞と名づけられた)が存在しないと、免疫反応を説明することができない。

そう考えて、(本人いわく)細々と研究を続けていったのが坂口博士であった。


2つの発見
そして坂口博士は、1980年代に行った実験から、制御性T細胞の存在を確信した。正常なマウスからある種のT細胞(のグループ)を取り除くと、自己免疫病が発症したのである。自己免疫病というのは、本来は病原体などから自分を守る免疫システムが、自分の細胞や組織を攻撃することによって起きる病気だ。
この実験からは、二つのことがわかる。一つは自己免疫病を起こすT細胞が正常な体にもあるということ。そしてもう一つは、取り除いたT細胞のどれかが自己免疫病を起こすT細胞を抑えているということだ。この、抑える方のT細胞が制御性T細胞であるはずで、その後の研究により、坂口博士はこの制御性T細胞の存在を実証したのである。


偉大な業績の背景にあるもの
免疫は重要だが、強ければ強いほどよいわけではない。ものごとを諦めない意志の強さも重要だが、何の根拠もなく闇雲に突進するだけでは不幸な結末になりかねない。しかし、坂口博士の場合は、制御性T細胞があるはずだという確かなデータがあったうえで、その実証に向けて諦めなかったからこそ、偉大な業績を挙げることができたのだろう。先見性があったからこそ、逆風のなかでも研究を続けることができたのだと思う。心からお祝い申し上げたい。
(本原稿は、『『種の起源』を読んだふりができる本』に関連した書き下ろしです)


まとめ

今回は2つの記事を紹介しました。病院・クリニックに倒産は過去最悪な水準に達してきており今後も増えることでしょう。

ノーベル医学賞を日本人が受賞したことは素晴らしいことですね。


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