今回のコラムは現在TVCMでも放送されている話題のゼロヘリウムMRIについてお話します。
MRIとは
そもそもMRI装置とは何でしょうか?
MRI(磁気共鳴画像)装置は、強い磁石と電波を使って体の断面画像を撮影する装置です。放射線を使用しないため、被ばくの心配がありません。
よく比較されるCTとの違いを表にまとめましたので参考にしてください。

参考コラムはこちら
中古医療機器と大型機器 その②
https://arrows-healthcare.com/article/articles?acd=10007
MRI トンネル型(超電導磁石)とオープン型(永久磁石)
https://arrows-healthcare.com/article/articles?acd=10095
ECHELON Smart ZeroHelium
プレスリリース記事を紹介します。

富士フイルムヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 章雄氏)は、液体ヘリウムを一切使用しない完全ゼロヘリウムを実現した1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Smart ZeroHelium(エシェロン スマート ゼロヘリウム)」を4月8日より発売する。「ECHELON Smart ZeroHelium」は、磁性体の吸着事故などのトラブル発生時に専門のサービス員に依頼することなくユーザー自身が復旧作業を行えるため、早急な復旧が可能。ダウンタイムを削減して安定稼働に貢献する。また、ヘリウム排気管が不要なコンパクト設計で、高い設置性を実現している。
MRIは、磁気の力を利用して、体の臓器や血流を画像化する画像診断装置である。一般的な超電導MRIシステムは、必要な磁場を発生させるために磁石を極低温に保つ必要があり、その冷媒として多量の液体ヘリウムを用いる。ヘリウムは、産業や科学分野において多様な用途で使われる天然資源で、地球上にわずかな量しか存在しないため、需要に対して供給が安定せず確保が難しい状況にある。
一般的な超電導MRIシステムは、何らかのトラブルで磁場が消失した場合に備え、液体ヘリウムの気化により発生する多量のヘリウムガスを屋外に安全に排気するための排気管を設置する必要がある。そのためユーザーは、天井裏などに排気管の専用スペースの確保が求められる。また、一般的な超電導MRIシステムは、液体ヘリウムの取り扱いに注意を要するため、磁性体の吸着事故が発生した場合、専門のサービス員に復旧作業を依頼する必要があり、長いダウンタイムが発生する。これらの理由により、ヘリウムを使用しない超電導MRIシステムに対するニーズが高まっている。
今回発売する「ECHELON Smart ZeroHelium」は、冷凍機による極低温を効率良く伝搬して磁石を冷やす独自の磁石構造の採用により、液体ヘリウムを一切使用しない完全ゼロヘリウムを実現した1.5テスラ超電導MRIシステムである。
「ECHELON Smart ZeroHelium」は、意図せず撮影室に持ち込まれた磁性体による吸着事故が発生した場合にも、専門のサービス員に依頼することなくユーザー自身が復旧作業を行えるため、早急な復旧が可能。検査再開までのダウンタイムを削減して安定稼働に貢献する。また、ヘリウム排気管の設置が不要。天井高の低い部屋や排気管を設置できない高層ビルの一室など、制約のある場所への設置性を向上した。さらに、画質を維持しながら撮像時間を短縮できる高速撮像技術と、AI技術を活用して開発したノイズ除去技術により、画像の高画質化と検査時間の短縮を両立した。
主な特長
(1) 液体ヘリウムを一切使用しない完全ゼロヘリウム
冷凍機による極低温を効率良く伝搬して磁石を冷やす独自の磁石構造の採用により、液体ヘリウムを一切使用しない完全ゼロヘリウムを実現した。
(2) ゼロヘリウムによる高い可用性・設置性
一般的な超電導MRIシステムでは、吸着事故が発生した場合、専門のサービス員に復旧作業を依頼する必要があるため、ダウンタイムが2日以上掛かる。一方、「ECHELON Smart ZeroHelium」は、ユーザー自身が復旧作業を行えるため、3時間以内に復旧可能。高い可用性で安定稼働に貢献する。
液体ヘリウムを用いないため、ヘリウム排気管の設置が不要。天井高の低い部屋や排気管を設置できない高層ビルの一室など制約のある場所でも、高い設置性を実現する。
(3) 短いスキャン時間でも高画質な画像を取得できる画像処理技術
MRI画像のスキャン時間と画質はトレードオフの関係にあり、高画質な画像を得るためにはスキャン時間を長く取る必要がある。 繰り返し演算処理を行う独自の高速撮像法「IP-RAPID」と、AI技術を活用して開発したノイズ除去技術「Synergy DLR」を組み合わせることで、より短時間で高画質な画像を取得できる。
「IP-RAPID」と「Synergy DLR」は、撮像部位を問わず、さまざまなコントラストの画像に適用できる。
なぜゼロヘリウムなのか?
MRIシステムの稼働には液体ヘリウムがなくてはならない存在。
一般的な超電導型MRIシステムは画像を撮影するためには,磁石をマイナス269℃の超低温に冷やし,超電導状態に保つ必要がある。磁石を冷却するための冷媒として液体ヘリウムが使われている。一般的な超電導型MRIシステム一台あたりに使用される液体ヘリウムは,約1,000~1,500リットル程度であり,お風呂約5杯分相当になる。
ヘリウムは貴重な資源。需要が高まり世界的に手に入りにくい。
液体ヘリウムはヘリウムガスを冷却することで液化させている。ヘリウムガスは,空気中に0.005%しか含まれておらず,大気中から抽出することが難しく,天然ガス採掘時の副産物として産出される貴重な資源である。ヘリウムは,医療機器だけでは無く,半導体や光ファイバーなどほかの産業や化学分野でも需要が高まる一方で,産出国が8か国*4と少なく,慢性的な供給不足が続いている。過去にヘリウムの風船が製造自粛になったことがあったが,世界的なヘリウム不足の影響であった。
液体ヘリウムをまったく使わないゼロヘリウムMRI技術
富士フイルムは,液体ヘリウムをまったく使わないゼロヘリウム超電導MRI技術を開発した。本技術は,液体ヘリウムを一切使わずに磁石をマイナス269℃の超低温状態に保つことができる冷却方式で,超電導MRIシステムを稼働させることができる。本技術により,地球上にわずかしかない貴重な資源であるヘリウムの消費を抑え,液体ヘリウムを使わなくても超電導型MRIシステムを稼働させることができるようになる。
CM動画
企業広告 WEBムービー「ゼロヘリウムMRI技術」篇/富士フイルム
https://www.youtube.com/watch?v=-Uvdeau36q0
まとめ
今回は話題のMRIを紹介しました。今後も画期的で環境に優しい機器を開発していってほしいですね。
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