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物流2024年問題における医療業界の影響について

2024/01/15のTOP画像

以前のコラムで医療業界の2024年問題について取り上げましたが、物流業界にも2024年問題があり、その影響が医療業界にも及ぶと言われています。

そこで今回は物流2024年問題が医療業界(医療機器)にどんな影響を与えるか調べてみました。


参考:-医師の働き方改革- 2024年から始まります。

https://arrows-healthcare.com/article/articles?acd=10073


物流2024年問題とは

自動車運転業務についても適用が開始される働き方改革関連法の「時間外労働の上限規制」に伴って発生する物流課題のことを指します。

トラックドライバーの年間労働時間は全産業平均に比べ2割程度長く、 労災請求件数、支給決定件数ともに最も多い業種となっており、労働環境を改善する必要があると永年にわたり訴えれていました。


そこで2024年4月からからトラックドライバーに働き方改革関連法の「時間外労働の上限(休日を除く年960時間)規制」が適用され、さらに改善基準告示見直しとしてトラックドライバーの労働時間等の労働条件向上を図るため拘束時間、休息時間等の基準を定める「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」についても、見直しが行われることになった。

これに伴い輸送可能量が低下、物流課題が生じることを2024年問題と呼んでいます。


どんな影響があるの?

国土交通省(NX総合研究所)試算によると、2024年度には輸送能力の14.2%、2030年度には34.1%の輸送需要が満たせなくなるとされています。

運送業者

労働時間の減少
改善基準告示の見直しにより、2024年4月からトラックドライバーの1年間の拘束時間は原則3,300時間に制限される。
とある監査法人の調査によると、令和2年度(2019年度)において拘束時間が3,300時間を超えたトラックドライバーの割合は26.6%であり、2024年4月以降の輸送能力の不足が予想される。


長距離区間輸送の抑制
残業時間規制により、これまで通りの長距離区間での輸送ができなくなる。


輸送力の不足
国土交通省(NX総合研究所)の試算によると改善基準告示改正により拘束時間の上限が3,300時間になった場合、2024年度には14.2%の輸送能力が不足する。(2019年度の物量基準)
また、2030年度には2024年問題の影響および働き手の不足によるドライバー不足の影響を合わせて、輸送能力の34.1%(9.4億トン)が不足する可能性があると試算されました。


荷主(私たち)への影響は?

納品回数の減少
残業時間規制により、1日に運行できるトラック便数が減り、1日あたりの納品回数が減少する。


物流リードタイムの長期化
長距離区間での輸送において、荷物を1日で運ぶことができず、物流リードタイムが長期化する。


物流コストの増加
長距離輸送ができなくなることから、積替え等の追加コストが発生する。
運送業者の法令順守やトラックドライバー確保のための賃金負担増が物流コストに反映され、物流コストが増加する
運送業者が自社の経営を維持するため、増加コストを運賃に転嫁する。


医療機器業界への影響は?

・ 医療機器は、大別して「特定保険医療材料」「汎用一般材料」「その他の医療機器」に分類され、診療報酬において償還価格が定められている「特定保険医療材料」だけでも多数の製品がある。


・ 医療機器の流通においては、製造販売業者・運送業者・医療機器販売業者・医療機関と、様々な関係者が関係する。


・ 医療機器業界においては、他の業界と比較し、例として「預託在庫による取引」など、特殊な商習慣の存在が指摘されている。


・ 保険適用された医療機器は、技術料に包括される又は特定保険医療材料として償還価格が設定され評価されており、使用された医療機器に係る費用は全国一律の価格・基準で医療機関へ償還される。


・ 一方、製造販売業者と販売業者間、販売業者と医療機関間の価格は、自由競争下での価格交渉により決定されている。


・ 自動車運転業務について働き方改革関連法が適用されることにより生じる2024年問題が指摘されており、医療機器業界においても大きな影響が生じる可能性がある。


・ 一般的には、「納品回数の減少」「物流リードタイムの長期化」「物流コストの増加」が指摘されている。


・ 既に他の業界においては、「ドライバーの荷役作業の削減」「共同配送」などの取り組みが、業界団体を中心とし、実施されてきている。



対策は?

他の業界において、2024年問題へ対応するため既に様々な取組が進められており、医療機器業界においても、生じうる影響を踏まえつつ、各関係者においてとりうる実効的な方策について検討を進める必要があり対策事例を考えてみました。


①余裕を持った早期発注
医療機関は緊急配送のコストおよび納品頻度を抑えるために早めに発注することが必要。販売業者などは、物流に係る時間などの明確化を図ることが必要になります。


②必要な在庫の備蓄
医療機関にて在庫を多く抱えることも緊急配送を未然に防止する対策のひとつとなります。医療業界では預託在庫による取引など特殊な商習慣があり、医療機関、メーカー、ディーラーにおける適切な在庫管理が求められます。



参考資料

2024年問題の医療機器業界への影響について 医政局医薬産業振興・医療情報企画課資料より抜粋

https://www.mhlw.go.jp/content/10807000/001154226.pdf


まとめ

昨年より業界内でも頻繁に会議が開かれているようですが、全員の健康と安全を確保できるように必要な対策を講じてほしいですね。



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