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医療機器メーカーのM&Aについて

2023/01/16のTOP画像

今回のコラムは医療機器メーカーのM&Aについてお話しします。

そもそもḾ&Aとは何ですか?ということですが、

M&A(エムアンドエー)とは「Mergers(合併) and Acquisitions(買収)」の略です。M&Aの意味は、文字通り「企業の合併・買収」のことで、2つ以上の会社がひとつになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)です。つまり、企業または事業の全部または一部の移転を伴う取引を指し、一般的には「会社もしくは経営権の取得」を意味します。M&Aと聞くと、以前は外資系企業(ハゲタカ)が会社を乗っ取るイメージもありましたが、近年は企業の成長戦略の手段としての意味合いが強くなってきています。

医療業界でも成長戦略の一つとして活発に行われております。


医療機器業界の現状についても振り返ってみましょう!

経済産業省によりますと、日本国内の医療機器市場規模は、2004年以降増加に転じ、2兆円超で推移しているといいます。その後2017年には、国内医療機器市場は約3兆円となり、過去最大の市場規模となりました。
ただし、2020年以降は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、患者の通院控えが起こり、医療機関がコロナ対応に追われ、通常の医療に十分な人員を割けなくなったことなどが影響し、医療機器の需要が減少しています。
医療機器市場(約2.9兆円)のうち、金額ベースでは治療機器(カテーテル、ペースメーカー等)が59%、診断機器(内視鏡、CT、MRI等)が20%を占めています。一般的に治療機器の成長率が高く、市場規模も大きいとされます。ただし、医療機器は輸入比率が相対的に高い状況にあります。
医療用器具では、注射筒や注射針、チューブやカテーテル、縫合糸、メスといった鋼製器具などがあります。医療用電子機器としては、検査・診断用の機器のほか、カテーテル類など検査や治療のため体内に挿入する機器もあります。
医療用器具の製造販売は、輸入も含めて薬機法で規制されており、国から許可や承認が必要となっています。製造販売に関する規制では、医療機器の人体に対するリスクレベルによって、リスクが極めて低いリスクⅠから、不具合が生命の危機に直結するクラスⅣまで、4つに分類されます。


医療機器業界のM&A・売却事例


オリンパス、イスラエルの医療機器メーカーを子会社化【製造×製造】
譲渡企業の概要
Medi-Tateは、前立腺肥大症の低侵襲治療デバイスの研究開発、製造を行う医療機器メーカーです。 同社の製品「iTind」は欧州のCE認証を受け、2020年4月には米国FDAよりde Novo承認を取得しています。2018年11月に「iTind」を含むMedi-Tate製品を販売する権利とコールオプションを含む契約を締結し、欧米の一部地域で「iTind」を販売していました。


譲受企業の概要
オリンパスは、本社が新宿区に位置している光学機器・電子機器メーカーです。オリンパスの経営戦略において、「治療機器事業への注力と拡大」を事業の成長・収益性向上のためのコア要素の1つに位置付けています。治療機器事業においては、消化器科、泌尿器科、呼吸器科の3つの領域でリーディングポジションを確立することを目指しております。


M&Aの目的・背景
オリンパスは「iTind」の医学的価値と将来性が高いことを確信し、同社が有する切除デバイスとグローバルで一体となって展開することが、同社の泌尿器科ビジネスを中長期的に成長させていくために最適であると判断し、M&Aを行いました。


M&Aの手法
オリンパスは2021年5月、ドイツ子会社を通じ、イスラエルの医療機器メーカーMedi-Tateを買収しました。オリンパスは2018年11月にMedi-Tateへ18%超を出資した際、同社の株式を100%取得できる権利(コールオプション)を含めた契約を結んでいました。今回のM&Aは、その権利を行使したものです。取得価額は約283億円でした。


旭化成、イスラエルの医療機器会社を買収【製造×製造】
譲渡企業の概要
Itamar Medicalは、心臓病患者への医療に睡眠時無呼吸症の診断を加えることに注力。呼吸器系睡眠障害の検査・診断を支援する医療機器の販売や、ソリューション開発に強みを持つとされます。


譲受企業の概要
旭化成は、世界各地に4万人以上の従業員を抱え、マテリアル・住宅・ヘルスケアの3つの事業分野を通じて、世界の課題に対応するソリューションを提供し、持続可能な社会に貢献しています。ヘルスケア事業では、救急救命処置、透析、アフェレーシス療法、輸血に加え、バイオ医薬品・医薬品・診断用試薬の製造のための装置とシステムを手掛けています。


M&Aの目的・背景 「睡眠時無呼吸に対するItamarのWatchPAT®技術とデジタルヘルスのソリューションが、旭化成子会社のゾール・メディカルの商業能力と組み合わされることで、家庭睡眠医療を前進させて診断と治療を受けていない患者にメリットをもたらす」と説明されています。


M&Aの手法
旭化成は2021年9月、子会社のZOLL Medical Corporationがイスラエルの医療機器・デジタルヘルス会社Itamal Medicalの全発行済株式を買い取る最終合意書を締結したと発表しました。ロイター通信の報道によると、取得価額は総額億約592億円でした。


まとめ
医療機器業界は、注射器具やチューブ・カテーテルなどの医療用器具や、電子機能をもつ医療用機器などを製造販売する企業群を指します。ここ数年、大手による海外メーカーのM&A事例などが見られますが、国内においては医療機器業界のM&A事例は少ない状況です。ただし、中小の医療関連の機器・器具製造・ソフト開発会社にとって、大手傘下に入ることにより、国内外への販路拡大や研究開発・技術の連携による開発力向上といったメリットがあるため、今後、M&A・売却事例は増えていくものと予想されます。



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